2015年08月28日

それは第一秘書

それは第一秘書
コーヒーのカップを口元に当てたまま、ジョンフンに向かってそう訊いた。
こんな言葉の選択。
少しばかり気弱になっている証拠だろうか。
しかし、ヨンファの言葉の裏に隠され康泰た意味に気がついたジョンフンは、クスっと笑った。
「うーん。たまには金髪の青い眼でぷっくり赤い唇・・・って上司の顔も拝みたいけどな」

ヨンファと、フニ。
コーヒーのおかげか、少しだけ心の緊張がほぐれたヨンファは、普段の口調でそう呼んだ。

ジョンフンがわざとそんな風に答えていることは十分承知の上。
ヨンファは大きな背もたれに背中を預け康泰領隊、イスをくるりと回転させる。
そうして、窓ガラスにうつったジョンフンに向かって大げさに言った。
「フニ?お前まだそんな女王様気取りの女、追いかけてんのか?」
今や、この社内でヨンファが唯一心を開くことができる時間。それは第一秘書のジョンフンの前だけだ。

「まだ、ってどういうことだよ」
「・・・・ふっ。昔っからそうだっただろ康泰旅遊?フニが選ぶ女はどこか高飛車で高圧的な、いわゆる女王様系。・・・Sっけのあるふりして、実のところMなフニ」
「バーーーカ。可愛いとか美人とか、そういうのはな、三日もすりゃ飽きるんだよ。それより、ワガママ言って俺を振り回すぐらいのほうが面白みあるだろうが」
「そういうものか?」
「そう。ヨンファにはまだ早いんだよ」
「・・・フン」

そう言いながら笑い合って、お互いコーヒーで意識を覚醒させる。
ジョンフンが買ってきた屋台のおでんとキンパッ(海苔巻き)は噂通りいい味だった。



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Posted by のぬね at 11:34│Comments(0)derirtoki
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